東日本大震災、新潟・福島豪雨におきまして被害に遭われました皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

 

   

2011年(平成23)3月11日に起きた東日本大震災。弊社は応急仮設住宅の建設を請け負いました。

 

震災直後、安藤邦廣氏(筑波大学名誉教授)から「日本に最も豊富にある資源"杉材"を活用した被災者住宅を迅速かつ大量に供給する」提案を受けたことをきっかけに木造仮設住宅プロジェクトが発足。

福島県の要請から、県建設業協会、県建築大工業協会、県建築業協同組合の連名で2000戸の応急仮設住宅建設支援を申し入れた結果、里山建築研究所(茨城県つくば市)の設計協力のもとIORI倶楽部仕様の木造住宅案が完成。弊社は200戸の発注を受け建設を行いました。

 

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ここで活かされたのが2010年(平成22)に立ち上がって以降、IORI倶楽部が推奨してきた板倉構法。板倉構法は日本に蓄積されている森林資源であるスギを活用し、大工技能の継承を図って、地域の住宅ストックを作ることを目的として開発。特徴は杉の厚板で、床、壁、屋根を構成すること。これにより堅牢で耐久性があり、断熱性と調湿性に優れた家ができあがります。また、板倉構法を使うことで建物を仮設として償却するのではなく、その後に復興住宅に転用することも意図していました。最終目的は仮設住宅として使用後、100年もつ地域住宅のストックを作ること。まさに未来を見据えた取り組みだったのです。

(佐久間建設工業株式会社 100周年記念誌 より)

 

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2011年(平成23)7月27日から30日に掛けて発生した「平成23年7月新潟・福島豪雨」に際しても、金山町(御神楽館前)、只見町(黒谷)に於いて、いわき市・会津若松市でのノウハウを活かして木造応急仮設住宅の建設を行いました。

撮影:齋藤さだむ

図1 弊社が携わった応急仮設住宅、災害復興公営住宅の一覧

木造応急仮設住宅の再利用


 

応急仮設住宅入居者の生活再建が進み退去が完了したことから、不要となった応急仮設住宅の再利用を希望する市町村や自治会、公益性を有する団体に対し無償譲渡が行われました。弊社で施工した97棟(162戸)のうち約6割に当たる57棟を復興公営住宅や住宅、事務所として再利用。弊社は主に解体、運搬を請け負いました。図1の通り、西日本豪雨で仮設住宅が必要となった岡山県総社市には、24棟(48戸)分の運搬及び現地での技術指導を実施。また、無償譲渡を受け建設した物件は宿泊施設(一棟貸ヴィレッヂ)や事務所として利用されています。 

 

新潟・福島豪雨を受けて金山町(御神楽館前)に建設した仮設住宅についても、供与終了後に解体、移築を請け負いました。現在は北塩原村の奥会津山塩企業組合の事務所として利用されています。

 

 

左:応急仮設住宅 高久第十(いわき市)解体、運搬の様子

右:岡山県総社市まで運搬後、技術指導の様子

復興公営住宅


・復興公営住宅 白虎2団地(会津若松市)

  

2016年(平成28)、会津若松市一箕町に復興公営住宅 白虎2団地を建設しました。会津若松市内の復興公営住宅の中では最後に完成した物件です。北側住区と南側住区に分かれており、隣接する既存住宅の採光に配慮して平屋建てタイプ2階建てタイプをそれぞれ配置しました。木造戸建て、全15戸。

 

福島県買取型復興公営住宅整備事業 白虎2団地 会津若松市(2016年)

・平沢(三春町)※JV

・中満南(楢葉町)※JV

・勿来酒井団地(いわき市)※JV

・大川原 第1期、第2期工事(大熊町)※JV

 

大熊町災害復興公営住宅整備事業


 

 

被災された方々の健やかな日常が一日でも早く戻りますよう一同お祈りしております。